【失注分析】失注理由を把握して営業活動の課題を見つける
営業をやっていれば必ずと言っていいほど経験する「失注」
失注したら、頭を切り替えて他の企業・案件に注力!としていませんか?それもありですが、それだけではもったいない。
トップセールスが行っている失注時のあることをご紹介します。トップセールスがトップセールスであり続けるのには訳があります。
営業を科学するには、失敗を失敗で終わらせない、次につなげるためのアクションが肝です。
失注とは
潜在的な顧客が興味を失うと、営業担当者にとって困難な状況になる可能性があります。ただし、営業担当者が顧客の注意を取り戻し、販売を成立させるために実行できるアクションはいくつかあります。
失注はその名の通り、案件が無くなることです。失注してしまった案件は上司への報告もしにくいですよね。皆さんは失注した時にどんなアクションをとっていますか?ここが肝になります。
失注分析:失注したら必ずやってほしいこと
失注してしまった時に必ずやってほしいことは、【失注分析】です。振り返りです。
原因を特定して営業活動において受注できなかった要因を分析して、自社の営業活動の改善につなげるものです。
なんとなく、あそこが悪かったな~と頭で少し考えるだけではなく、最終的には紙に書く、salesforceなどの営業支援ツールを導入している会社であれば、それに残すなどアウトプットすることをお勧めします。
組織的には、各案件の営業フェーズごとや営業パーソン別の失注率を出し、営業プロセスの中でどこに課題があるのかを把握することが重要です。また、人別にも課題を把握することで失注率が高い営業パーソンの商談には上司が必ず同席するなど組織として受注率をあげていくアクションもみえてきます。
失注理由を顧客に必ず聞くこと
失注の原因をまとめる前に行って欲しいことがあります。それは、「失注の理由を顧客に詳しく聞くこと」です。
何がネックで契約に至らなかったのか、原因の所在を明らかにしてください。しかも細かく聞ければベストです。例えば、失注の大きな理由が予算感だったとします。
顧客に原因を聞いたら、予算がどうしてもとれなくて・・・など曖昧な回答が返ってくることが多いので、その際には具体的な金額を聴くようにしましょう。あるいはスケジュール(納期)がネックだった場合は、次の営業に向けて意思決定のプロセスやスケジュール感を聞いておきましょう。年間のスケジュール的に「8月中に方針の大枠を固めて、9月で予算化する」などが分かれば、同じ過ちは繰り返さずに済みます。
原因特定:関心を失った根本原因を特定する
顧客の関心を取り戻すための最初のステップは、そもそも関心を失った理由を特定することです。これは、理解の欠如、満たされていないニーズ、または単に優先順位の変更など、さまざまな理由が原因である可能性があります。
顧客が感じていたネックが分かった後には、営業側としてどこに原因があったのかを整理してください。
予算の話であれば、事前のヒアリングが足りていなかったということになります。ヒアリングをせずに金額を提示してあとは反応を待つという進め方がこのパターンです。「決裁権限を持つのは誰で、その方の決裁金額はいくらまで」「全体の予算はどの程度あるか、そこからアロケーション(割り当て)が可能な金額はどの程度か」などの情報です。
スケジュールがネックだった場合は、納期の優先順位はどの程度の案件なのか、希望納期より後ろ倒しになった場合の失注リスクはどの程度あるのか、などを把握しておくべきです。プラスαの情報としては、希望されるスケジュールの理由もセットできけるとよいでしょう。ここに間に合わないとその後の工程がすべて崩れてしまう、社長から言われているなどであれば顧客からすれば優先順位最高ランクです。
改善案:どういうアクションができたか
次は原因がわかった後にすることです。どういうアクションを営業として行っていれば、契約の確度を上げることができたのかを整理します。
- 具体的な提案を差し上げる前にヒアリングを徹底する(ヒアリング項目も事前に整理)
- 納期を早めるための社内調整をヒアリング後~提案前に行う(事前に関係者へ相談の可能性があるアナウンスを行っておく)
- 金額調整を上司や関係部署と行う
- 予算外から取れるように投資すべき案件と判断してもらうためにさらに魅力的な提案に仕上げる(関係者に協力依頼をするなど)
失敗から学ぶことは多い
失注も契約も必ず理由があります。
営業はこうした日々の営業活動の振り返りで科学していけるところが楽しい部分でもあります。理由を把握して、今後どうすれば契約の確度を高めることができるのか、それを日々追及することは遠回りのようですが近道です。
失注した場合は次の営業活動に切り替える頭も大切ですが、営業スキルをあげていくには振り返り、特に失注してしまった際の振り返りは学ぶことが多いはずです。
ちなみに、一度失注連絡をもらって、理由をきいたら、なんだそんなことか!ということもあります。追加の提案を行うことで見事契約という流れもあるので、顧客への失注理由のヒアリングはマストで対応してください。この場合は顧客との認識齟齬があったということが多いと思いますので密なコミュニケーションが課題となりますね。
相手は人間ですので認識齟齬が基本発生すると思ってコミュニケーションを取るスタンスがよいでしょう。
マーケティングのチームが組織的にあるようであれば、例えば以下の項目別に失注率を把握する(受注率も同時にみるといい)ことで自社の強みや弱みを把握でき、どこにリソースを分配するべきかの経営判断にも役に立ってきます。
例:業界/企業/部署/製品/営業パーソン/時期
まとめ
結論として、潜在的な顧客が興味を失った場合、営業担当者は多くのアクションを実行して注意を取り戻し、販売を成立させることができます。
これらのアクションには、関心を失った根本原因の特定、顧客との再エンゲージメント、懸念への対処、ニーズへの再集中、信頼関係の構築、一貫したフォローアップが含まれます。これらの手順を実行することで、販売担当者は顧客の関心を取り戻し、販売を成立させる可能性を高めることができます。
現場の営業の方は日々顧客とのコミュニケーションで追われていますので、なかなか振り返りの時間を意識的に作れる人は少ない印象ですので、マネージャー・管理職の方は部下からの報告の際には、「振り返り」についてもサポートしてあげるとよいです。
今日からできる営業スキルとして、「失注した時の振り返り、失注分析」についてのお話でした。