営業知識講座

営業ヒアリングのコツその2!苦手な人は型を覚える「SPIN話法」

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営業パーソンに役立つ情報サイト【営業スターターキット】運営しているイト◎マルです。15年以上の法人営業経験を活かして、現在は営業部長として日々「成果を出し続ける営業パーソン」の育成に力を注いでいます。

今回はヒアリングの型のお話です。特に商談でどのような流れでヒアリングを行っていけばスムーズ得たい情報を聞き出せるかというテーマでお話致します。

ヒアリング商談の流れ

まずは一般的なヒアリング商談全体の流れをみていきましょう。

①ご挨拶

部署や役割・役職ふまえて参加者の挨拶

オンライン会議が多くなってきた会社の方も多いと思います。オンライン会議で良くあるのは、名前だけのご挨拶。

直接お会いする場合は名刺交換をしますので、相手の部門や役職など把握することができますが、オンライン会議では積極的にヒアリングしていかないと分からずじまいで終わってしまうケースが多々あります。

そのためにも、自社の参加者について部門や役割・役職をお話した後に、相手の参加者についても部門や役職含めてお話いただくように伝えましょう。

こんな感じです。

Aさん
Aさん

本日はご商談の機会をいただきありがとうございます。まずはじめに弊社側の参加者についてご紹介させていただきます。

私は営業部の課長をしております、〇〇と申します。また同席しているのが、私の上司にあたります部長の〇〇です。本日は運用担当の〇〇も同席しております。よろしくお願い致します。

Aさん
Aさん

貴社につきましてもはじめましての方が多いので、部署や役職・役割も含めてご紹介お願いできますでしょうか。

こちらから、課長や部長など先に役職を伝えることで相手もスムーズに教えてくれることが多いです。聞きたい情報はまずはこちらから出しておくことで、前習えで、クライアント側もご紹介いただきやすくなります。

②アイスブレイク

商談の中身にスムーズに入れるようにするのがアイスブレイクです。

お互い緊張している状態ですので心理的に気持ちをほぐすこととスムーズにヒアリングに入れるようにします。

個人的にはユーモアは大事だと思っています。話す内容だけではなく、表情や声のトーンも大事です。雰囲気は伝染しますので、暗い顔をして、トーンで話をはじめると相手も同じように暗くなってしまい、商談が思うように進まなかった、相手が質問しても全然話をしてくれなかったなど失敗に終わってしまいます。

アイスブレイクタイムは自分も含めて話しやすい空気・雰囲気を意図的に作り、商談をスムーズにしていくための時間です。

天気の話は良いのか、悪いのか良く題材に出されますが、個人的には「その後の商談に繋がる」「相手をより理解できる」ネタであれば良いと思っています。

Aさん
Aさん

いい天気ですが、暑さがなくなり過ごしやすい季節になってきましたね。どこかご旅行などご予定ございますか?私は沖縄に久しぶりに行って参りました。

Bさん
Bさん

旅行の予定は無いのですが、涼しくなってきたので、ランニングを再開しようと思ってます。家族からも少し太ったと言われて…運動不足も兼ねて…

この場合ですが、相手はランニング(運動)が趣味、運動不足と感じている、などパーソナリティなど把握できます。また、ご家族のコメントから、お子さんの話やご家庭での様子など会話で把握できるようになりますね。次回あった際は見違えるほど体系に変化があったらその点を触れてあげるのも良いでしょう。体形は少し突っ込み過ぎの場合は、顔色でもいいかもしれません。

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③オープニングトーク

オープニングトークをしない営業を時々みますが、有り無しで顧客の商談時の意識がかなり変わってきます。

オープニングトークは必ず実施することをお勧めします。

ではオープニングトークとは何か。

オープニングトーク

商談の目的に明確に伝える

「商談の目的」を冒頭伝えます。

ヒアリングが中心であれば、

「本日は、次回具体提案をお持ちしたいのでご状況のヒアリングさせてください。一方的なご提案ではなく、貴社のご状況に合うご提案をさせていただきたいと考えております」

提案であれば、

「本日具体提案をお待ちしましたので、価値があると思っていただけましたら、ご契約のご判断お願いします」

など、こちらの意図をしっかりと伝えます。顧客の当事者は認識していても同席者が多ければ、この商談はなんだっけ?となっている人もいる可能があります。具体提案の際には、役職が高い人が同席する場合があり、これまでの経緯を詳しくインプットできていないこともまちまちですので、そうした場合は過去のやり取りの経緯を含めてオープニングトークで伝えることも重要です。

ヒアリングの型「SPIN話法」

ヒアリングがなかなかスムーズにできない、という営業の方の声は多いです。まずはじめに躓くポイントでしょう。ここは型を覚えることでクリアできます。営業の世界でも型がたくさんあります。型を覚えて応用していきましょう。

ライトに活用できる型のひとつが、SPIN話法というものです。

SPIN話法

以下の頭文字をとった営業話法の一つです。

  • Situation(状況質問):状況を理解する
  • Problem(問題質問):ニーズを明確にする
  • Implication(示唆質問):問題の重要性を認識させる
  • Need payoff(解決質問):理想の状態をイメージさせる

S・P・I・Nの順に質問を展開します。

商談を成立させるために必要な営業方法で、顧客の潜在的なニーズを引き出すことを目的としています。SPIN話法の考案者はイギリスの行動心理学者のニール・ラッカム氏です。

実はこのSPIN話法、現在→過去→未来の流れになっています。営業トークやヒアリングにおいてもこうした時間軸を意識して話したりヒアリングしたりすることで顧客との認識合わせがスムーズになります。ぜひ意識してみてください。

現在~未来の流れで展開
  • Situation(状況質問):過去~現在
  • Problem(問題質問):過去〜現在
  • Implication(示唆質問):現在〜未来
  • Need payoff(解決質問):未来

このように初めは現在の状況を確認しその問題点をあらわにしていきます。そして示唆を通して課題を認識してもらうこと、最後にその課題はこうしたら解決しないか?と顧客に気付いてもらうことができます。

そうなれば、顧客と認識があった状態になりますので提案内容の方針を固めることができます。

具体的にみていきましょう。

Situation(状況質問):過去~現在

顧客の状況把握のための質問です。事実ベースの情報を集めましょう。

■具体的な質問例

(健康食品の通販会員企業に対する広告セールスの場合)

Aさん
Aさん

過去或いは現在、どのメディアに出稿されてますか?

Bさん
Bさん

TVCM、Instagram広告、Google広告、折込チラシに昔から出稿しています。

Aさん
Aさん

今年度は出稿時期はいつでしょうか?また金額的にはどれくらいの分配割合でしょうか?

Bさん
Bさん

過去もだいたいCMは8月、他は毎月定期的に実施しています。全体で5億、CMが5割、折込チラシ3割、ラジオ2割くらいですね。なかなかうまくいっていない広告もありますが・・・

Aさん
Aさん

今後も決まっているメディアはありますか?

Bさん
Bさん

CMは実施が決まっており、折込チラシとラジオも、まあ継続実施でしょうね。

Aさん
Aさん

ターゲットはどのような方でしょうか?

Bさん
Bさん

40歳以上の女性がターゲットです。ボリュームゾーンは50代です。

Problem(問題質問):過去〜現在

顧客に問題点を認識してもらうための質問です。

確かにそうなんだよね~、という気持ちをいただいていただく=気付いていない問題点を認識してもらうための質問です。

Aさん
Aさん

手広く広告出稿されてますが、通販会員獲得の効率維持はなかなか大変ではないですか?

Bさん
Bさん

そうなんです、ある程度リーチできてしまって、同じ人に広告を当てている状態で効率が少しずつ落ち始めているので悩んでいます。

昔からの広告出稿の流れでCMや折込チラシをメインでやってますが、効率が落ちているので新しい広告メディアでの獲得もやっていかないといけないかもと思っている状況です。

この質問をすることにより、どのような問題を抱えているのか、もしくはそこが問題だ、と気づいてくれる流れを作ることができます。そこまでくればあとはでは何をしたらいいのか?という話になりますよね。

Implication(示唆質問):現在〜未来

問題点を解決することの重要性を顧客に感じてもらうための質問です。

Aさん
Aさん

まだまだターゲットのポテンシャルはあると思いますので、新しい会員様獲得メディアを早めに見つけていくことが将来的な事業成長に欠かせない部分になりませんか?

Bさん
Bさん

仰る通りですね、なかなか新しいメディアを検討する上でも、何から手を付けていいかわからないのも問題としてあります。

ここまでくればあとは解決策の提示です。

Need payoff(解決質問):未来

Aさん
Aさん

当社では多様なメディアを持っておりますので、ターゲットに合わせて貴社でまだ試されたことが無いメディアでの会員様獲得のお手伝いができそうですのでよろしければご提案差し上げましょうか?

Bさん
Bさん

ぜひ、一度具体のお話をお伺いしたいです。

SIPN話法でのヒアリングの流れの一例です。現実はこんなうまく進まないですが、イメージを理解してもらえればと思います。自社の商品やサービスに合わせてS・I・P・Nそれぞれどのようなやり取りが発生しそうか顧客を想定してヒアリングの流れをイメージしてみるといいでしょう。

ヒアリングの事前準備

ヒアリングは事前準備でだいたい決まります。何を聞きたいのかをヒアリング商談の前に整理しておきましょう。この時、自社の上司も同席する場合は上司の時間をもらってヒアリング内容を一緒にすり合わせしておくことをお勧めします。

会話の中でスムーズにヒアリングできる方は、その場の状況に応じて聞きたいことを聞いていけますが、そうでない方へのアドバイスとしては、ヒアリングしたいことを事前に顧客にメールで連絡しておくという方法もあります。顧客側としてはいきなりその場で聞かれても整理できてない、わかっていないことも多々ありますので、事前に連絡することで顧客に準備してもらうことができます。

まとめ

今回は営業でのヒアリングのコツとして、まずは「型」を覚えることについてのお話でした。

一つは、挨拶からオープニングトークまでの流れの型。もう一つはSPIN話法についてです。この2つの型をまずは実践してみてください。うまくいかないこともあると思いますが、型を使うことで「どうしよう、どうしよう」と商談中に迷うことが少なくなります。

型が分かっていることで、この観点の質問を入れてみよう、次はこの観点など、その場に応じて質問ができるようになると思います。是非トライしてみてください。

ABOUT ME
イト◎マル
イト◎マル
営業部長
法人営業経験15年。

営業現場から課長を経て現在は営業部長として営業・マネージメントを担っています。
有形商材~無形商材(広告サービス含む)を扱って参りました。

成果を出せる営業メンバーの育成を買われ部長職に就任し、現在も成果を出し続けるためのスキルセットや知識・ノウハウを後継のために出し惜しみなくアウトプットしています。

営業は専門職です。
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