営業に必要な3つのチカラ
今回は、学生や若手営業社員からよく聞かれる「営業に必要な力」についてです。どのような力が営業には必要なのか、ご自身でも考えながらご覧ください。
営業で必要な力の中でキホンの3つはこちら。
- 聞く力(≒ヒアリング力)
- 情報整理力
- 課題設定力
他にもたくさん必要な要素はありますが、今回はこの3つです。
営業に必要な16個のチカラ
就活中の学生が参加するインターンでこんな質問がありました。
「営業をする上で最も必要な力はなんですか?」
ほうほう、「力」とな?本のタイトルでもよく見る、「〇〇力」。ちなみに「力」の語源は、畑を耕す農具である鍬(すき)の形を現したものと言われています。
少し古いデータですが、リクナビが出している「営業職1500人に聞いた「16分野別」絶対不可欠スキル」というものがありますので、まずどんなスキルがあるのか、代表的なものをご紹介。
16の営業スキル
課題発見力
ヒアリング力
対人コミュニケーション力
情報収集力
ロジカルシンキング力
行動力
論点を絞る力
情報伝達力
人脈構成力
数理的能力
探究力
利害調整力
プロジェクトプランニング力
財務知識
仮説を立てる力
部門調達力
一般的には課題発見力やヒアリング力が上位のようです。オールマイティが言わずもがな、あればベストですがそんなツワモノはごくわずか。その中でも基本として必要な力をピックアップして解説致します。
最優先営業スキル3つ
営業で必要な上位「3つの力」。それはこちらです。
・聞く力(≒ヒアリング力)
・情報整理力
・課題設定力
なぜこの3つが優先順位が高いかと言うと、売上を上げるための根底の部分だからです。基本中の基本。ここを疎かにするといくらほかの力をつけても成果が出にくくなります。
例えばどんなに調整力やプロジェクトプランニング力などがあったとしてもそもそものクライアントが抱えている課題を把握していない(ヒアリングできていない)と、商談が進んだとしても最終的にお買い上げいただけない可能性が大きくなります。なぜなら、サービスや商品を購入しても、やりたいことが達成できないからです。具体的にみていきましょう。
理由:課題把握が提案のスタート地点
提案→検討→契約という流れの中で、確度を高めるためには「提案」が重要になります。
では提案をするには何が必要かと言うと、顧客の情報です。課題が解決でき他の解決策(競合含む)よりも優れていると判断された場合に契約という判断をしてもらえます。(他にも要素はありますが)
顧客が抱えている課題は何かを正確に把握する。これは聞く力が無いといけません。
顧客によっては課題が曖昧、何をやっていいかわかっていないケースも良くあります。そうした場合は課題設定力の出番です。では顧客が納得できるような課題設定はどうすればできるのか。聞く力と情報整理力で補います。
顧客と会話をしていると、あっちこっちに話が進むことはありますよね。課題が曖昧な場合の典型的なケースです。
そもそも課題とは何か。ここも基礎ですが理解が必要です。とてもシンプルで、
現状と目標のGAPが課題です。
ビジネスには目標が必ずと言っていいほどあります。数値的な目標もしかり、達成したいことです。営業パーソンの方であれば売上/粗利目標がわかりやすく設定されますね。
それを達成するためには、あとどれくらい何をやるべきなのか、が現状を理解すると見えてきます。100万円の年間売上目標があり、現在地は10万円の売上、そうなると、残り90万円を売り上げることが課題です。営業では残りいくら売上が必要かは日々数字を追っていればわかりますが、それ以外の部門では課題が明確ではないこともあります。課題が明確ではなければ、それを明確にすることが営業のスタート地点とも言えます。
営業活動でクライアントと会話していると、意味のある情報と無意味な情報と様々です。情報の取捨選択・例えばグルーピングなどフレームワークを活用しながら整理・分析していき課題を設定できれば提案内容も固まってきます。
ロジカルシンキング・仮説思考など、付属するビジネスに活用できるフレームワーク・スキルは様々ありますので学習されることをお勧めします。仮に今後のキャリアとして営業以外に進んでも役に立つスキルや知識です。
他の力は次のステップで必要になる
提案のストーリーや実行にあたっての調整力・運営力・プロジェクトプランニング力などは、もちろん提案の際にクライアントの要望を社内調整を行い叶えるというのも、調整スキルは役に立ちますので一概に言えませんが、どちらかというと提案が通って活きてくるスキルです。
決して疎かにして良いというものではなく、「営業」という役割において身に着ける力の優先順位としては先に挙げた3つが高いということです。契約後の実行にあたっては営業以外の人を巻き込んで進めるケースも多いと思います。
関係者の力を使いながら(助けてもらいながら)顧客に価値を提供していけばよいのです。組織とはそういうものだと思います。継続的な取引には実行の部分でも成果を出す必要はもちろんあります。
質問力の鍛え方
営業指導において質問・ヒアリングは大切な要素であることは理解しつつも、では実際に何をどういった流れで聞いていけばいいのか、実戦でうまくいかない方も多いでしょう。まずは代表的な型を覚えることから始めることをおすすめします。
代表的な型の一つに、SPIN話法というものがあります。
以下の質問の頭文字をとった営業話法の一つです。
S・P・I・Nの順に質問を展開します。
状況を理解する質問。
※全部が難しい方はまずはここだけに集中してください。
ニーズを明確にする質問
問題の重要性を認識させる質問
理想の状態をイメージさせる質問
現状と将来像(目標)のGAPが課題です。つまりすべきこと。すべきことだけどできていない部分を商品やサービス提供で「できるようになる」が理解してもらえれば、それは導入や購入すべきものだと判断ができますよね。理解してもらうためにも、現状を把握するからはじめ、最終的にはどのような未来を見ていて、あるいは理想があるのかを言葉で語ってもらうための質問の型です。
とは言え、いきなりすべてスムーズ質問することはある程度の経験と慣れが必要になりますので、まずは、最初の【S】Situation=現状を理解する質問から始めてみて下さい。現状やっていることを聞くだけでも、悩みが出てきたりするものです。そこから話が膨らみ、勝手に未来の話になるケースもあります。
現状の理解の質問には、5W2Hが有効です。いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、何(What)を、なぜ(Why)、どうやって(How)、いくら(How much)、を頭に常に入れておけば質問は様々浮かんでくるでしょう。
まとめ
情報がすべてと言っても過言ではない世界が営業です。相手の情報をどこまで細かく正確に得ることができるかで大きく変わってきます。契約・売上の力学が働くのは「情報」です。そのためにも質問力は鍛えて損はまったくありませんし、営業では必須スキルです。
情報を集めに行くのもそうですが、情報が集まる環境作りや仕組みを整えておくこともおすすめします。デジタルを活用した一般的なニュースの情報収集や、こうしたことに興味がある、この業界で何か変化があったら、知らせてほしいなど人伝手に得るルートもあると思います。人からの情報の方が価値が高い場合が多かったりします。(世の中には出てないけど業界では話が進んでいることなど)
- 聞く力(≒ヒアリング力)
- 情報整理力
- 課題設定力