【営業で役立つ】問題解決のフレームワーク「空雨傘」とは?
今回は論理的思考に役に立つ=フレームワークのご紹介です。
フレームワーク:「空雨傘」
聞いたことありますか?単体では誰もが知っている空と雨と傘ですね。物事や事象の構造を把握し何をすべきかを判断するためのフレームワークです。コミュニケーションにも非常に役に立つので早めに知っておき使いこなせると良いでしょう。
フレームワーク空雨傘とは?
皆さんは傘を持っていますか?大多数の方は持っていますよね。私は傘は嫌いですが持っています。雨が止んだら邪魔になるし、電車ではすぐに忘れるし…というのはさておき。
しかし普段から傘を常に持ち歩いている人はあまりいません。皆さんはどういった流れで傘を持って出かけると判断しますか?
一般的には、まずは【空】をみますね。あるいは天気予報=空です。すでに【雨】降っていればもちろんすぐに【傘】を持っていくと判断すると思いますが、曇りの場合でも空を見て今日は雨が降るかな?【傘】持っていくかと考えてみますよね。
この無意識で行われている流れが【問題解決に役立つフレームワーク:空雨傘】です。
- 空:曇っていてどんよりした空気・空だなと現状を把握
- 雨:雨が夜には降りそうだなと解釈・考える
- 傘:傘を持っていこうと決める
ポイントは、【事実→解釈→判断】の流れです。
営業シーンでは例えば、このような感じ。現状を把握して解釈を行い何をするかを決める。このフレームワークは結論をしっかりと出すことが大切です。
- 空:自社への問い合わせが増えている
- 雨:年度末の予算消化の動きが多くなっているのではないか
- 傘:予算消化向けのパッケージプランを作って営業する
現状把握する:空
何事にも現状を把握・理解するは非常に重要です。現状を理解せずにあの手この手で対策を打ってみて、振り返りをしてみたらもそもそもズレている、なんてことは良くあることです。
営業シーンで言えば、相手のニーズや課題を正確に把握するということです。ここには個人の感想や解釈はまだ不要です。事実ベースで把握するということが必要です。
空は今どういう状態か。曇っているか。湿度は何℃か?隣の県は雨か晴れか?事実ベースで情報を取得します。
営業シーンではヒアリングですね。事前調査を含めて事実はどうなのか、あっているのか違っているのかをヒアリングにて把握します。ヒアリングできているかできていないかでこの先の提案、そして受注に大きく影響してきます。
繰り返しですが、「事実」を把握することがこのシーンでは重要です。
解釈する:雨
事実に基づき正しい解釈を行います。先ほどの営業シーンでの例です。
- 空:自社への問い合わせが増えている
- 雨:年度末の予算消化の動きが多くなっているのではないか
- 傘:予算消化向けのパッケージプランを作って営業する
❶の【自社への問い合わせが増えている】という事実に対して、なぜ増えているのか?の解釈を行います。時期として年度末の予算消化の動きが多くなっているためではないか、という解釈です。
解釈は複数でも構いません。事実に基づいて飛躍が無い解釈であればOKです。そこから結論を導き出します。
判断する:傘
解釈をもとに結論を導き出します。
- 空:自社への問い合わせが増えている
- 雨:年度末の予算消化の動きが多くなっているのではないか
- 傘:予算消化向けのパッケージプランを作って営業する
予算消化の動きが多くなっているいる解釈の基、ニーズにマッチしたパッケージプランを作って営業活動をすれば売上が増えるのではないかという判断です。
注意してほしいのはあくまで❷の解釈が本当に正しいかは確かめる必要があります。
❷の解釈が100%正しいと思い込んでしまうと誤った判断をしてしまうケースもありますので点検を行いましょう。
営業活動で言えば、クライアントへ上記内容についてヒアリングをしてみるだったり、パッケージプランも大々的に作りこむのではなく、テスト的に短期で一部のクライアントへ提供してみるなど、実際にニーズがあるのかをクイックに確かめるのがベターです。
これが投資判断や営業戦略など傘の部分の判断・結論で大きくその後の事業に影響する場合は特に注意が必要です。(あくまで例えです)
活用シーン
営業活動でのシーンを例に説明しましたが他にも活用シーンはたくさんあります。
一番使えるシーンは【報連相】です。
ここで大事なのは繰り返しですが、【事実→解釈→判断】です。
事実なのか解釈なのか結論・判断なのか、空雨傘の順番で報連相すれば、論理的に自ずとなってきます。特に事実なのか、意見や解釈なのかが曖昧な報告を耳にするシーンが良くありますが、その都度、事実はどこまでで、それは解釈なのかどうなのか?聞いているのは時間の無駄と感じることが多いです。
【事実→解釈→判断】この流れを意識して会話することで、営業活動含め様々なシーンで相手とのコミュニケーションが円滑になります。できる営業パーソンが意識しているポイントです。
解釈や判断は訓練が必要な部分です。日ごろからまずは【事実の把握】を行い、その情報から自分なりに解釈を行い、結論を出す、という訓練を行っていくことで営業のみならず、社会人としての汎用的なスキルを習得することができます。もちろん営業シーンでも大いに活躍するスキルですので、若いうちから癖をつけておくとよいでしょう。