予算・決裁者を聞き出したい人必見!重要情報ヒアリングまでのステップ
予算や決裁者などの提案を行うにあたっての重要情報(=BANTC)をなかなか聞けずに苦労されている方向けのヒアリングまでのステップを今回は書きたいと思います。
そもそもBANTCとは何かがまだの方はこちらの記事をご覧ください。
相手のこちらに抱いている気持ちを理解する
まず重要なのは相手を理解するということです。
どのようなシーンなのかによりますが、初めてお話する場面、過去に取引があったがご無沙汰しており久しぶりにお話する場面など相手との関係値の濃さを理解しましょう。
例えばアポがお電話で取れて、初回面談を行う場合は、そもそも相手からすると、どこの馬の骨かもわからない人物です。信用がまだ無いことを理解してください。信用が無い相手に対してペラペラと話はしませんよね。
では信用度を上げるためにはどのようなアクションが必要か。
シンプルですが、私・自社は何者なのかという部分をしっかりとインプットしてあげましょう。
インプットする内容としては、具体的な方が信用度がアップしやすいです。例えば、取引企業の一覧、取引の具体例、出資企業、創業何年などです。
つまり、ビジネスとしてどのくらい、だれに、どのように貢献して来たかの実績です。
市場価値があることを過去の取引などを例にお示しするところから始まります。相手の業界に近い取引先があれば信用度・納得感も上がります。
そしてあまりやらない人もますが、おすすめは個人としての信用面も上げることです。業界歴、セミナー実績、参加プロジェクトなど営業として残してきた成果を中心にインプットすることをお勧めします。
企業としての信用に加えて、営業パーソンとしても信用に値するのかを基本的には見られます。この営業なら話をしてもいいかな、つまり、相手が望むような提案や解決策を一緒に考えてくれそうだ、と思ってもらうことが重要です。
信頼を勝ち取る
信頼は相手に対する実績です。実績と言っても数値面だけではなく、提案の内容やレスポンスの速さ、相手からの質問に対するアンサーの正確さ(的を得た回答)などです。
業界のことを良く理解していることも信頼に繋がる要素ですので知識や知見を日々ためていくことを怠ってはいけません。
- レスポンスの速さ(メールや電話):心配にさせないコミュニケーション
- 下調べ対応や業界知識の習得:この人は分かっているという安心感
- 質問に対する正確な受け答え:誠心誠意対応するスタンス
こうした対応を行うことで相手の信頼を勝ち取っていきます。
基礎的な部分ですが、できる出来ない、やっているやっていないが分かれる部分ですので、ここでつまずくとその先ヒアリングしにくい状況になったり、相手のニーズや課題に即した確度の高い提案ができない状況になり、結果受注としての成果を出せなくなります。
課題特定
信用・信頼をある程度勝ち取ってから、ヒアリングに移ります。
自社のケイパビリティ(解決できること、してきたこと)をご紹介しつつ、他社の課題と同じような課題が商談相手にも当てはまる部分はあるか?現在の事業において目標を達成するにおいての足枷になっている部分はどこなのか?あるいは、インサイトとしてここが課題なのではないか、などヒアリングを通して特定していきます。
ヒアリングのステップとしてはSPIN話法という流れを有効活用するとよいですので型を覚えておくと商談では便利です。
SPIN話法についてはこちらの記事をご覧ください。
課題が特定できたらネクストステップへ進みます。
提案の意向確認
課題が特定できたからと言って提案していいという話ではありません。まだここでは焦らないでください。
ポイントは、【相手から提案の合意を得る】ことです。
ここまでお話してきたなかで、弊社としては貢献できる部分がこうした領域であると感じておりますが、スケジュールなど踏まえてまだご検討の俎上に乗る可能性がありましたら、ご提案差し上げることも可能ですが、ご意向はいかがでしょうか?
と相手の意志を確認します。
このシーンでは相手がぜひ、このテーマで具体提案が欲しい、と返答をいただくことがゴールです。
はれて重要情報をヒアリング
相手が提案を受ける意向を確認できた暁にははれて重要情報=BANTCのヒアリングです。
なぜこのシーンで行うかというと、
合意している提案を受けるには必要な情報だからという相手側の気持ちが発生します。
具体提案を差し上げるにあたり、いくつかお伺いさせていただけますか?という枕詞を入れておくと、その後のBANTC情報はさらに聞きやすくなりますのでお勧めです。
具体提案の方針の整理
面談ではBANTC情報をヒアリングできたら改めて提案の方針の認識合わせを行いましょう。
- 課題整理
- 提案時期
- 予算感
- 目標値/KPI
商談では認識あってると思ったけど提案してみるとやや認識が異なっていた、なんてのはざらにあります。
コミュニケーションは認識合わせです。バックボーンや考えている・考えてきたことが人により異なり、まして初対面などとなれば基本的には認識齟齬がどこかで起こっているという前提に立つとよいでしょう。
しつこいくらい認識合わせを行うことが重要です。むしろそのアクションは嫌がられそうで実は信頼感が増す一面もあります。
まとめ
重要情報をヒアリングするステップについての記事でした。
信用を得て、信頼を得て、自社情報をインプットし、相手の課題を会話を通して特定していく、そのうえで、具体提案を受ける意向をいただき、重要情報のヒアリングへと進む。この流れを意識して商談に挑んでいただければと思います。
マネージメントされている側の方は、部下に対して、【ちゃんとヒアリングしてこい!】という指示ではなく、具体的にどのようなステップでヒアリングを行うとうまくいくのかまで、本記事をご参考にご指導いただけると嬉しく思います。