営業マインド講座

アポ取りで「ご挨拶だけでも」は三流。営業の本質は相手に得をしてもらうこと。

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営業パーソンに役立つ情報サイト【営業スターターキット】運営しているイト◎マルです。15年以上の法人営業経験を活かして、現在は営業部長として日々「成果を出し続ける営業パーソン」の育成に力を注いでいます。

営業で最初の壁はアポ取りです。会わない・話をしないことには始まりません。そのためまずはアポ取りをして来い!と電話を毎日ひたすらかけ続けている営業パーソンも多いでしょう。

営業には基本的にはフローが存在します。

営業フローの一例
  • 営業リスト作成
  • アポ取り(電話など)
  • 初回面談
  • 提案
  • 条件交渉
  • 合意
  • 契約
  • 納品、実行
  • アフターフォロー

アポ取りも営業活動においては重要な役割です。特にこれからサービスや事業を伸ばしていく会社にとっては新しいお客様をどれだけ見つけてくるか、つまり顧客数が重要KPIになっているはずです。そのためにはまずコンタクトを取らないといけませんのでアポ取りアクションは必須でしょう。

ある程度大きな会社では顧客からお問い合わせや相談が入ってくるようになっている反響型と呼ばれるフローもありますが、それはこれまで築き上げてきた歴史・顧客との関係値があったり、その会社でしか提供できないサービスを持っているなど差別化ができている会社です。

一般的には新規顧客を見つけてくる活動は必須ですので、営業パーソンがスキルを身に着ける必要があります。

今回はアポ取り時の特に【マインド】についてお話したいと思います。

「ご挨拶だけでもと思いまして」は言ってはいけない

良くありがちなアポを取る際のトークとして「ご挨拶だけでも」とついつい使っている電話やメールをみることがあります。これはNGです。

営業はそもそも「相手のためになるサービスや商品の提供を通して、相手のビジネスが拡大成長すること」が根本にあります。

「主語」はいつでも「相手」です。

売れない営業パーソンの多くが、「主語」は「自分」です。

そういう方のアプローチはだいたいこんなところです。
「うちのサービス・商品はこんなに素晴らしくて、デザインも優れていて、こんなにいい商品なんです。だから買ってください!」

数打てば当たる部分はあるので、この流れでも売れることはあるでしょうが、時間は有限であり、KPIの率は上がってこないので、いつまでたってもノルマに追われて営業成績もイマイチ。

こうなりたくはないですね。

そのために必要なマインドは、繰り返しですが【主語】は【相手】です。

「ご挨拶だけでも」と使うのは、本音は売り込みたいなのですが、営業させてくださいとストレートに言うとアポが取れない確率が高まるのではないか、であれば、一旦挨拶だけという話にして、アポさえ取れればあとは商品やサービスの紹介ができる、と、まあそんな感じでしょう。つまり自分都合の話です。

相手も余程のことが無い限り、そんなことをお見通しなわけです。挨拶だけといいつつ、この人はセールスをかなりしてくる…そんな印象はプラスでしょうか?マイナスでしょうか?

多くはマイナスの印象になります。営業はまず信用を得なければ話も聞いてくれません。聞いているようで懐疑的、どこか裏は無いのか、そんな気持ちで聞いていることが多くなります。これだと最終的に契約には繋がりません。

相手のメリットになることを提示する

ではアポ取りの際に「ご挨拶だけでも」の替わりに何を伝えればいいのか。

答えは簡単です。「相手のメリット」を提示することです。

「ご挨拶だけでも」は自分のメリットですね。アポが取れれば営業ができるから。(成約の確度は低いでしょうから本質的には自分のメリットでもないのですが)

ただし、答えは簡単と言いましたが、実行するのは簡単ではありません。アポを取りたい会社や事業、担当者の事前調査や調査から何に困っていそうかの仮説・解釈を入念に行う必要があります

ご参考までに企業調査についても興味がある方はこちらの記事をご覧ください。

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そんな一社一社調査している時間は無い!という声も聞こえてきそうですが、その場合は【業界】をセグメントしてアプローチするのが効率がいいでしょう。

同じ業界であれば企業が違えど、抱えている課題は似ていることが多いため、一つの企業を調査した場合は、同じ業界や業界内で似たようなポジションにいる会社には「他社さまではこのような課題を良く伺いますが、貴社ではいかがでしょう」など仮説課題の横展開できる部分も大いにあると思います。

さらに業界課題を会社内やチーム内で連携していけば、より組織的な営業活動の効率化も図れます。

【主語】が【相手】の場合のアポ取りの例
  • 他社では●●のような課題を良く伺う
  • 貴社でも同様の課題は無いか
  • 弊社では●●課題を解決できるサービスや商品がある
  • サービスご紹介と貴社の理解を深めさせていただくことも兼ね、ご挨拶させていただきたい

ご挨拶だけのアポではなく、課題解決に繋がるご提案をさせていただきたい、そのためにも貴社の理解がまだ足りないのでヒアリングも兼ねてアポイントメントをお願いするのが筋です。

話し方ひとつで相手の印象も変わります。

そうすることでアポの確率も上がります。相手の心理を考えたら理解できます。挨拶だけのために時間を取ることはメリットがないはずです。そもそも普段から忙しい方が多いのにわざわざメリットが無いことは合理的にはしません。

気を付けるポイント

あなたのために」が伝わるようにコミュニケーションを取りましょう、というお話をさせていただきましたが、気を付けるポイントがあります。

言ってることとやってることが違えば、すぐにバレます。

あなたのためにと言いつつ、結局は営業がノルマ達成しか考えていない、などこれも良くあるケースなので注意が必要です。言動一つひとつですぐにバレます。自分では気づいてない場合もありますが、根底のマインドが【主語】が【自分】になっているとふとした瞬間に無意識でそれが出てしまいます。

そのため、言葉だけではなく、早いうちから【マインド】として身につけておかねばなりません。

一度そのようにマイナスの印象を与えてしまうと修復が難しくなります。トントン拍子で進んでいたけど、最後に見送りになった。原因が分からないという場合は、振り返り項目としてはコミュニケーションを疑う(相手のための言動ができていたか)こともおすすめします

まとめ

昨今はオンライン会議なども増えたことで効率が良くなった半面、分単位で会議や商談が詰まっている状況です。そんな会議詰めの日々で、30分でも空き時間が作れたらまずは自分のタスクを処理したいと思うのが心理です。

挨拶だけさせてくださいなど、時間を割く理由が1ミリもありません。

そんな多忙な状況でもビジネスパーソンには日々課題があります。それを解決し目標を達成するために働いているのですから、その課題解決につながる可能性を示すことが少しでも出来たら時間を取ってくれるかもしれません。

主語は相手で相手のメリットになることを提示するのがアポ取得はもちろん、その先の成約に繋がるというある意味ルールを意識して営業活動を行ってみてください。まずはマインドからです。

ABOUT ME
イト◎マル
イト◎マル
営業部長
法人営業経験15年。

営業現場から課長を経て現在は営業部長として営業・マネージメントを担っています。
有形商材~無形商材(広告サービス含む)を扱って参りました。

成果を出せる営業メンバーの育成を買われ部長職に就任し、現在も成果を出し続けるためのスキルセットや知識・ノウハウを後継のために出し惜しみなくアウトプットしています。

営業は専門職です。
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