質問が苦手な営業は枕詞を覚えるとうまくいく
しっかり顧客の課題をヒアリングしてこい!と商談前に上司から言われたことは無いでしょうか。課題がすんなり聞けるのは(相手が答えてくれる)ある程度の信頼関係値できている状態でなければなかなか難しいでしょう。聞けたとしても氷山の一角、抽象的かつ本気度も分からないレベル。
とは言え、関係値構築前に基本的なことはしっかりと把握しておきたいところ。今回はヒアリングに対して苦手意識がある営業パーソン向けにヒアリングのコツをご紹介します。
キーワードは「枕詞」です。
枕詞は相手の答えるハードルを下げる
なかなか質問がしにくい、答えてくれそうにない、ガードが堅いなどなど聞きたい情報を得ることが難しいと感じている営業の方はぜひ活用してもらいたいのが、「枕詞(まくらことば)」です。ストレートな質問だけをするよりも、枕詞とセットで質問することで質問のハードルが下がります。かなり使えるスキルですので、いくつか、この時はこの枕詞を使うなど決めておくとよいでしょう。
例えばこんなシンプルだけど良くある例。
●●さん、明日の夜空いてる?
(心の声…急に明日の夜?何?飲み会とかだったら嫌だな…明言は避けよう…)
えっ、何かあるんですか?
旅行のお土産買ったから渡したくて~10分くらい時間ある?
(心の声…なんだ~お土産くれるのか~嬉しいかも。先に行ってよ~)
ありがとうございます!10分くらいなら空いてまーす、むしろわざわざすいません!
例のように質問の意図(お土産を渡したいだけ)が分かれば、回答しやすくなりますよね。しかもその理由が相手のためやメリットになることが分かれば、回答する前の気持ちはどうですか?前向きになりますよね。
質問する前に、「質問の意図」をしっかりと伝えるだけでもヒアリングはスムーズになります。
どのような枕詞があるのか、ご紹介していきます。
基礎的な質問をしたいときの枕詞
営業経験や業界の経験が浅い人の場合、顧客の話の中で理解ができない部分がいくつかはあると思います。業界の当たり前は理解しているものとして話が進むケースなどです。分からないことがあるけど、「こんな基本的なことを聞いてもいいのかな?」と感じてしまい、質問ができなかったことがある人は以下のような枕詞が有効です。
- 初歩的な質問で大変恐縮ですが
- まだまだ勉強中の身でございまして
- 勉強までにご教示いただきたく
- 御社のことをもっと知りたいと思い
このような、枕詞を質問の前に入れるだけで、相手の心象は大きく変わります。ベテランの営業の方でも、こうした謙虚な姿勢や態度を見せることで信頼感にもつながります。うちの会社や事業のことをしっかりと理解してくれようとしているんだなと普通の方なら思うはずです。
ただし、そんなことも調べずに話に来たの?と思われたらアウトです。一般公開していないようなことを業界特有の何かなど、調べても出てこないような情報などであればよいと思います。
細かいことを質問するときの枕詞
次は細かい質問を入れたい場合です。大枠は答えてくれたけど、詳細で気になる部分がある場合、ズカズカと詳細を聞いていくよりも、どうしてそんな細かい部分まで教えてほしいのかの理由を枕詞を使ってインプットすることで、答えやすい状況を作ることできます。
- 認識に齟齬があるといけないので
- 詳細の見積もりを出すために必要な部分でございますので
- このテーマはとても大事な部分になりますので突っ込んで質問させていただきますが
- 〇〇様が社内でスムーズ進めていただくための追加の情報などお出ししたいという意図での質問ですが
質問の意図が伝われば、それに対しての回答も、意図を意識したものになり、欲しい情報を顧客から得ることができます。
逆に意図が伝わらないと、営業側からしてベストなアンサーが返ってこないケースもあります。その場合はさらに質問をしなければならず、効率的ではありません。そういうことね、早く言ってよーとならいようにうまく枕詞を使いましょう。
踏み込みたいときの枕詞
例えば、競合の情報や、本音、実際の検討状況など、知りたいけど教えてくれないことも多そうな情報を踏み込んでききたいときの枕詞をいくつがご紹介します。
コンペの参加などの場合は、情報はかなりの武器になります。営業はここをどれだけ顧客から取ってこれるかで勝率が大きく変わってきます。コンペで勝ち抜く営業は、このヒアリング力に長けている人が多いです。
- 正直に言います
- 〇〇様が競合他社含めて比較する上で弊社ならではの部分を見極めご提示したく(…他社様はどこでしょうか)
- 実際のところどうお考えですか?お打ち合わせは人数がたくさんいましたので言いにくいこともありましたよね。(大勢で商談した後に電話で個別会話が有効)
まとめ
枕詞は、基本的には質問の理由/背景を伝えることに活用するとよいです。
この人は何でこんな質問をしてくるんだろう?と感じさせないために使います。その理由が納得感があれば、答えた方がいい、もしくは答えてもデメリットよりメリットの方があると考え回答を得ることができるでしょう。いくつか試していただくと、自分なりのヒアリング勝ちパターンが見えてくると思いますので、本サイト以外でも調べてみて、実際の営業シーンで活用してみてください。